風邪にやられてしまいました

調査が立て込んでいて無理をしていたら、風邪をひいてしまいました。今度の風邪は性質が悪く、熱で寝込むことになってしまい、日誌もすっかり滞ってます。
ようやく復帰できそうですので、新しい事件のことなども書き記しておきたいと思います。

真犯人は?

女性のPCからソフトウエアのコードを発見したんですが、奇妙なことに気づきました。コードのファイルがあった形跡があって、しかもご丁寧にそれは削除(隠蔽)されているんですが、バイナリデータが見つかっていなかったんですね。
コードの規模や開発環境にもよりますが、見たところ高級言語による開発のようでしたし、ライブラリなどの中間的なバイナリデータが全く存在しないのは奇妙でした。ソースの構成上、あるいは試行錯誤して作成している限り、どこかにその痕跡は残るはずなのです。エージェントとして送り込まれるソフトウエアの方はサイズの小ささが求められるのですが、コントローラーのソフトウエアの方は特に小規模である必要はありません。実際コードはそれなりに大きいものでしたし、どこかに中間的なバイナリデータがあっても良さそうな感じでした。
ただ、おそらくデータを削除しているところから見て、ある程度フォレンシックスを意識した隠蔽工作である可能性が高いと思われます。となると、真犯人が他に居るとして、こうして大々的に調査が入っているときに、それでもまだどこかに証拠が残っているということは考えにくいですね。もちろん調べてみないと分からないのですが・・・
そこで、許可を得てある仕掛けをしておくことにしました。

書籍発売日は今月27日

漫画「アクセス探偵IHARA」は今月27日に発売されることになったようです。といっても書籍流通というのはそれほど簡単なものではないようで、27日に店頭にすべて並ぶのかというとそうでも無いようですね。
わたしの過去の事件とか、古い知り合いの検事さんなども出てきますので、ぜひお読みください。

東京での追加調査その3

女性のPCの解析をさらに進めていくと、消去されたファイル群の中にプログラムのソースファイルが多数あるようでした。システム開発を担当している部署なので不自然なことではありませんが、その中でも頻繁に修正を繰り返されていたらしい一つのソースファイルが気になりました。
プログラムをざっと読んでみると、どうやらファイル送出のプログラムのようです。ソースと関連ファイルを再生して、開発環境をお借りして実行ファイルを作成してみると、発見されたプログラムのファイルそのもの(と見えるもの)が作られました。
しかも、さらに関連ファイルらしきものを調べていると、コントローラーにあたるプログラムも見つかりました。
ここで両方が開発されている、ということはもしかして失踪した女性は本当の犯人なのか?という疑惑が浮上してきたわけです。予断は禁物ですが、少なからず驚かされる展開になってきたようです。

時系列での整理

これまでの流れをまとめてみました。

  1. http://d.hatena.ne.jp/Detective/20041013#p1
    • 失踪人探しの依頼。部屋に残されていたPCの調査を開始する
  2. http://d.hatena.ne.jp/Detective/20041018
    • 最初の札幌出張。時計台などを頼りに失踪した女性を捜すが、時計台前で発見。尾行し、現在居住しているとおぼしきところを見つける
    • ご家族に連絡、合流して女性に引き合わせる
    • 帰宅を説得するが、拒否。情報漏洩についても事情は聞き出せず
    • 追加調査のためいったん東京へ戻ることにし、両親に女性のフォローを頼む
  3. http://d.hatena.ne.jp/Detective/20041029#p2
    • 東京で社長の御曹司(女性の上司)と面会、「女性の潔白の証明」を依頼されてしまう
    • オフィスの両人の部署でPCを調査、遠隔操作でファイルを送出するプログラムを多数発見